不安な武田薬品工業の新研究所建設計画

法的整備で安心なまちづくり

 鎌倉市と藤沢市の市境に、武田薬品工業の新研究所建設計画が進められています。危険な病原体を遺伝子操作することができるP3施設が含まれており、こうした施設が住宅密集地に隣接して建つことに大変不安を感じます。現行法令では、こうした施設についての立地規制はなく、地震・火災などの非常時の対策規定もありません。

 薬品会社は「人の命」を考えて仕事をしているのなら、その原点は市民に誠実であることだと思います。市民が不安を抱いたまま新施設の建設が進められることがないよう、情報公開をし、住民協定を結ぶなどの誠意ある対応が必要だと思います。

 ネット鎌倉は「鎌倉市遺伝子組換え実験施設に係る環境安全の確保に関する条例」を2月26日に市議会に議員提案しました。この中には遺伝子組換え施設の届出義務や説明会実施、協定締結、事故の報告義務等が盛り込まれています。3月3日の観光厚生常任委員会で審議されましたが、残念ながら継続になってしまいました。市民が安心して安全快適に暮らしていくために、自治体の法律である条例をつくるなどの法的整備は重要です。今後も課題解決に向けて、努力してまいります。