岡本2丁目マンション計画に見る市長の政治姿勢

古都鎌倉にふさわしい緑保全を

 鎌倉市は、1996年に緑の基本計画を制定し、三大緑地を始め、まとまった緑の保全に取り組んでいます。しかし近年、緑の基本計画に位置付けられていない緑地の開発が鎌倉のいたるところで行なわれています。

 特に、岡本2丁目マンション開発では、現市長が、市民が使っている階段の石垣部分(市有地)を開発区域に加え、マンションの入り口道路に整備することを許可したことで、開発可能な状態にしてしまいました。県開発審査会から二度にわたる許可取り消しが下され、業者が訴えを起こし現在裁判中です。3月25日に判決が出る予定でしたが、先延ばしになり、未だ解決の糸口が見つかっていません。開発途中で工事が中断され、無残な状態のまま放置されています。

 鎌倉に若い人たちが入ってきてまちが活性化することは、喜ばしく思います。しかし、目に余る開発や地域住民の意思を尊重しない開発には賛成できません。私は、岡本2丁目マンション開発予定地を、各地から見てきました。近隣の方々が自然に親しんできたお話もうかがい、緑地保全推進地区でもあったこの土地を守れなかったことは、大変残念に思います。緑保全は市長の政治姿勢が大きく問われる問題です。

 鎌倉の緑を守るためには、国や県と連携し、風致地区、古都法地区、緑地保全地区、景観地区などを指定する法整備をすることと、住民発意の地区計画などを作ることが有効です。古都鎌倉にふさわしい緑をたたえたまちづくりのために、市長にも強い姿勢で緑保全に臨んでほしいものです。