肝炎対策法案が廃案へ

人の命より選挙が大事なの?

 B型・C型ウィルス肝炎感染者は、国内で約350万人以上と推定されています。これは、血液製剤や注射針の使いまわしなどの医療行為が引き起こした被害です。平成20年度から国の「新しい肝炎総合対策」がスタートしましたが、実施主体の都道府県によって施策に格差が生じています。

 鎌倉市議会では、国に肝炎対策基本法の制定を求める意見書の提出を求める陳情が出され、観光厚生常任委員会で審議し、全員一致で採択しました。ネットも、同じ病気を患っているにもかかわらず、住むところによって救済に差ができるのは問題であり、平等に救済されるべきと主張しました。

 しかし、国では肝炎対策基本法の内容を一本化できず、さらには薬害肝炎訴訟の元原告が民主党公認で衆院選出馬を決めたことで、自民党は消極的になり、民主党は政権交代の可能性が出てくるや否や、選挙後の成立にこだわり始め、今国会では審議されないまま廃案になると言います。命より大事なものがあるのでしょうか。

 13日の臓器移植法改正の際には、充分に審議が行なわれないまま改正案は成立し、脳死は法律で「人の死」と位置づけられることになりました。長期脳死やドナーの問題・子どもの臓器移植のあり方など、議論すべき重要な問題がたくさんあるはずです。
選挙に気をとられ、人の命にかかわる問題が軽視されたという印象が否めません。肝炎対策も臓器移植の問題も、しっかり話し合うべきだったと思います。