待機児童対策

多様な保育制度の充実を

 9月議会の一般質問で保育を取り上げました。
鎌倉市の待機児童は、年度始めで44人だったのが7月1日時点で65人に上っています。若い人の中には、保育園の入所可能な時期に合わせて計画出産したり、保育園に入れそうにないから二人目の出産をあきらめる人もいます。今後、人口は減少傾向ですが、ライフスタイルの多様化や経済状況が不安定なことも影響し、益々両親共に就労する家庭が増えると予想されます。市の計画では、4年後に新たな保育園の建設を予定していますが、それでは到底、待機児は解消できません。そこで、まず施設整備計画の見直しを求めました。

 また、新しい施設を作ることだけが待機児童対策ではないと思います。財政状況が厳しい折、市民力を生かしたNPOや市民事業による小規模保育の推進、研修制度を導入した事業者の育成を提案しました。しかし、市民力は認めているもののイニシャティブをとって具体的に動きを作るには、行政の重い腰はなかなか上がりそうにありません。空き家・空き店舗・使わなくなった公共施設の活用なども併せて提案しました。公共施設の活用については、全市的に見直し、再編整備が必要だと考えます。

 フルタイムで働いていても、定員がいっぱいで保育園に入れないため、一時保育を目いっぱい利用しているケースもあります。一時保育は、パート労働やリフレッシュのためなど、利用の巾が広くニーズが高いにもかかわらず、公立保育園では7園中2園でしか行なっていません。全体の受け皿を増やさない限り、希望する保育が受けられない人は増える一方です。

 また、鎌倉市の場合、保育園の入所には1日5時間・月15日以上の就労が必要です。それを1日4時間・週3日に緩和する提案をしました。しかし、他市でも就労規定時間が多いところもあるし、状況を見て検討するとの答弁でした。(ちなみに近隣の逗子市は1日4時間・週3日、藤沢市は1日5時間・週4日です。)多様な働き方を支えるしくみを作るために、今後も新たな提案をしていかなければならないと心しました。加えて、入所審査時の選考基準の点数を細かく設定し直し、透明性のある審査が必要であることを主張しました。入所までの日程や審査方法の公開を求めたところ、ホームページを充実させ、情報提供していくとの回答を得ました。

 働きながら子育てをしたいと願う人が、その両立の難しさから仕事を辞める、あるいは出産を断念するといったことのないよう、地域の中に多様な保育のしくみを作り、ライフスタイルや家庭の事情に合わせて選ぶことができる保育制度を整えることが何より大切です。