地域福祉の充実

地域福祉支援室の役割

 地域にはさまざまな課題があり、高齢者や障害者、子育て世代も困った時に支援が行き届かず、孤立しているケースがあります。地域には、その地域の特性にあった身近な支援体制が必要です。

 現在、福祉センター内に地域福祉支援室が設置されていますが、市民と顔の見える関係を築くために、本来は多くの人が訪れる市役所に置くべきです。そこを拠点の一つとして機能させ、さらにその他の地域には行政センターのような誰もが知っている場所に増設し、地域に溶け込ませることが第一歩です。地域からの要望を待っているような後手に回っていては役に立ちません。

 そこには地域福祉コーディネーターを配置します。コーディネーターは積極的に地域の中に入り、住民と日頃から交流して地域を知り、信頼関係を築く必要があります。地域が表面上活性化しても、本当に必要な人に福祉の手が差し伸べられないことも有り得ます。コーディネーターを複数化し、地域の民生委員・児童委員・町内会長・地区社協・地域包括支援センター・教育関係・駅・交番・保健所・商店など、地域の関係各所との連携を蜜に、支援の漏れがないよう、つないでいく必要があります。どこかから誰かの一声があれば、虐待や孤独死にまで及んでしまうことは避けられるはずです。さらには、地域の課題解決のための新たなしくみ(市民事業など)を生み出すことも期待できます。困難なことが起きても、地域の支えあいが充実し、漏れることなくセーフティーネットを充実させることが重要です。

 鎌倉の地域福祉の充実にとって、地域福祉支援室は欠かせない存在であるにもかかわらず、予算は削減され、市役所の中での理解が得られておらず大変残念です。