スクールソーシャルワーカーの役割

子どもと共に考える

 鎌倉市の学校に、今年度スクールソーシャルワーカー(SSW)が配置されました。市が県の湘南三浦教育事務所に依頼して派遣の運びとなりました。

 鎌倉市では、不登校やいじめ・引きこもり・発達障害など様々な課題を抱えている子どもたちに対しての相談体制は、教育相談指導員による訪問指導・メンタルフレンド・心のふれあい相談員など、きめ細かに行なっています。しかし、不登校は減らず、子ども本人に対する相談体制の整備だけでは充分ではないことがわかってきました。せっかく本人が前向きになっても、回りの環境が変わらなければまた元に戻ってしまいます。課題解決に向けた環境づくりをサポートするしくみが必要です。

 スクールソーシャルワーカーは、まず子どもの立場で子どもの気持を聞くことが一番大切な役割です。また、親と先生、相談員、医療関係者など、多くの人が関わり解決に向かっていく時、気になっていてもお互いに自分の持ち場ではない部分に踏み込むことができず、バレーボールの球をお見合いして落としてしまうように、ぽかんと穴が開いてしまうことがよくあります。スクールソーシャルワーカーは、その穴を埋めるために、常にアンテナを張って情報収集しながら、学校や家庭を始め周辺との橋渡しをし、地域や関連機関との連携を図り、必要な支援に当たります。

 初めての採用ですから、現場で効果的な活用ができるよう見守っていきたいと思います。子どもが自ら歩いていく力を持ち、子どもも親も先生も、肩の力を抜いて自然体で過ごせる環境を整えることが大切です。