子宮頸がんワクチンの接種は慎重に

2010年7月1日 23時38分 | カテゴリー: 活動報告

鎌倉市ワクチン代補助

 鎌倉市では子宮頸がんワクチン接種の補助を決めました。今年度の対象は、中2・3年生の希望者です。唯一予防できる癌ということですが、念のため調べてみました。

 子宮頸がんは、遺伝に関係なくその原因はHPV(ヒトパピローマウィルス)というウィルスの感染によって起きるとされています。多くの場合、性交渉によって人から人へ感染するとされ、中でも発がん性のあるHPVには女性の80%が一度は感染していると推定されています。感染しても90%以上は自分が持っている免疫によって消失し、がん化するのは約0.1〜0.5%と言われています。
 子宮頸がんワクチンは、HPV16型と18型の感染をほぼ100%防ぐことができるとされていますが、日本人の子宮がんの原因は、HPV16型と18型は全体の60%であり、52・58型も比較的多く、このワクチンの日本での予防効果は限定的であるとする説もあります。
 また、HPV16型と18型に感染している場合にはほとんど予防効果は期待できないこともわかっています。感染しているかどうかを判定するためには細胞診(子宮の細胞を調べる検査)を行なわなければなりません。従って、性交渉をまだ経験していないHPV感染前の低年齢女児を対象とするわけです。しかし、半年で3回の接種をしても予防期間は6.4年間と言われ、1回約12,000円という高額な割には短命なワクチンです。

 ワクチン接種はからだの中に異物を入れることであり、慎重な対応が必要です。接種に当たって、今後の課題を2点あげます。
①フォローアップ窓口を整える:接種前の情報発信は当然すべきで、アフターケアも肝心です。副作用については、海外では死亡例も伝えられていますが、ワクチンとの因果関係は明らかにされていません。鎌倉市は接種助成を決めたからには、自治体、医療機関などによるフォローアップの窓口を整えることが必要です。
②検診と性教育の必要性:ワクチンを打つだけで終わりではありません。女の子が自分のからだを大切に思うこと、女性のからだを守るための教育が何より必要です。また、ワクチンに過度に依存すれば検診を受けなくなる恐れがあります。子宮頸がんの原因がHPVではない可能性も否定できませんし、性病感染などで炎症がおきていれば癌化することもあるそうです。検診を受ける環境をしっかり整えることも重要です。

 ワクチンがすべてではなく、女性の一生を考えるトータルパッケージの中でどこから手を打つべきか、性教育の充実を含め、意識の啓発が大切です。今回の子宮頸がんワクチン接種に伴い、補助を決めた行政、接種する医療機関、子どもが通う学校、親など、全ての高い見識が求められます。