電磁波シンポジウム開催

携帯基地局設置で、鼻血・頭痛・意識障害などを起こした医師家族

 7月4日、鎌倉商工会議所ホールにおいて、電磁波シンポジウムが開催されました。会場は入りきれない人が出るほどの参加者でした。

 基調講演では、沖縄の新庄哲治医師の奥様から衝撃的な体験が話されました。自宅マンション屋上に2ギガの携帯基地局が建ったことで、3人の子どもたちが次々鼻血を出し、奥様も車を壁にぶつけて大破させたまま帰宅するなど精神が損なわれてしまう状態になったそうです。新城先生は高速道路で意識が飛んでしまい、あわやの場面があったなど、時折声を詰まらせて話されました。マンション住民への調査結果では、6割の人たちが同じような症状で苦しんでいました。電磁波による健康被害は、全国でも訴訟に発展している事例もあり、いつ誰が発症してもおかしくありません。見えない公害とも言われている電磁波問題の深刻さが会場全体に伝わりました。

 多くのEU諸国は、問題になっている携帯基地局からの電磁波と健康被害との関連の疫学調査を進め、基地局の電磁波基準値を定めています。日本の基準はその1万倍という甘さです。

 鎌倉市では、県下で始めて携帯電話基地局の設置に関する条例ができ、4月から施行されています。事業者が携帯基地局アンテナの設置や改造を行なう場合、地域住民に周知することが義務付けられました。情報を受けた町内会に判断が委ねられます。充分に話し合いが行なわれないまま、設置が決まった事例も出てきました。この条例は、住民の電磁波に対する知識と自治力を高めることが同時に求められます。今日のシンポジウムのように、情報発信をしっかり行なうことが、予防原則の第一歩であると思います。