生ごみと下水汚泥から新エネルギー

生ごみはウェットバイオマス

 ネット鎌倉は、ごみは燃やさず資源化することを推進してきました。鎌倉市も焼却ごみの4割を占める生ごみの資源化を進めてきましたが、新市長は一向に決断できず、ごみ行政は停滞しています。そこで、11月18日、帯広畜産大学の梅津一孝先生を招いて、生ごみと下水汚泥を混ぜてメタン発酵させ、ガスを取り出してエネルギーとして再生利用するバイオマスエネルギー回収施設についての学習会を開催しました。バイオ施設に賛成の立場、反対の立場、両方から64人もの参加があり、関心の高まりを感じます。

 メタン菌は体の中にある嫌気性の菌で、地球上で光合成が行なわれる前から働いている。生ごみは糞尿に比較すると単位辺りのガス量が多くリッチな資源である。バイオマスは太陽の缶詰だから燃やしてしまわずエネルギー化することが有効。韓国では生ごみの焼却処理が法律で禁止されており、ソウルには1日98トンの生ごみをメタン発酵する施設が都心の地下で稼動している。など、時折目からうろこのユニークな講演でした。最後に、再生可能エネルギーに対する日本の取り組みは遅れていることを指摘されました。

 下水汚泥に家庭の生ごみを投入するバイオガス化はチャレンジングな取り組みではあります。これを鎌倉で行ない、資源循環型社会を推進するとともに、化石燃料や原子力に依存しない新たなエネルギー創出に向けてのメッセージを、全国に先駆けて発信していく必要があることを確信した学習会でした。