携帯電磁波は発癌の可能性

子どもには細心の注意を

 世界保健機関(WHO)の国際がん研究機関(IARC)は、携帯電話を使用すると特定の脳腫瘍を引き起こす可能性があるとの調査結果を発表しました。今回の発表では発がん性のリスクについては数値化されていませんが、過去の研究例では、一日平均30分、10年間使用し続けた場合、脳腫瘍の一種であるグリオーマ=神経膠腫になるリスクが1.4倍になる、との結果が出ているそうです。

 IARCの専門家は、長期間、頻繁に携帯電話を使った場合の調査・研究を重ねる必要があるが、その結果が出るまでは、ハンズフリーセットの使用などで直接電磁波に触れないような使用方法が重要と指摘しています。携帯電話本体に触れる時間を短くすることが重要です。WHOは、携帯電話の電波に関するガイドラインを再検討する可能性があるとしています。大人より子どもの脳は水分が多いため、危険度が高いといわれます。特に注意が必要です。

 便利で快適になった私たちの生活ですが、携帯電話だけではなく、電気製品などの普及によって、目に見えない電磁波が飛び交っています。電子レンジ、全自動洗濯機など身の回りの家電類は、使用中は距離を3mぐらい取ること、使用しない時はコンセントを抜くこと、電話の子機の使用は避けるなどの対策で、個人で低減策を取ることができます。

 しかし、個人では対策が取れない、送電線、配電線、変電所などからの電磁波は、大変深刻な問題です。また、マンション建設やオール電化の普及で電線を流れる電流が集中的に増加しているところは、電磁波も強くなっています。3本の電線を一つに束ねることで緩和されますので、電力会社への働きかけが必要です。原発問題で節電を求められていますが、電磁波カットにつながると考え、ライフスタイルを根本から見直したいと思います。