介護保険の余剰金が1億6000万円も

そんなに残してどうするの?

 鎌倉市の65歳以上の人口は約48000人で、高齢化率は27.6%に上り、2025年までに30%に達すると予測されています。 介護認定を受けている人は約8000人で、このうち約6000人が実際に介護サービスを利用しています。総事業費は、2010年度約117億円で、5年前に比べると約20億円増えています。介護保険料は、鎌倉市の場合13段階に設定しており、標準月額で3840円です。特別養護老人ホームが8箇所(583床)になりましたが、待機者は688名に上り、緊急ショートステイや認知症対応のデイサービスも不足しています。

 このような状況の中、2010年度は約1億6800万円の余剰金を介護給付等準備基金に積み立てており、現在8億8500万円にも上っていることが、2010年度の決算委員会で明らかになりました。介護保険料は、3年間の計画を立て、計画をもとに算出しています。ネットが今夏に行なった対面式アンケート調査では、サービス受給者の満足度は高いものの、適切なサービスを受けられない人の不満は高まっています。また、いつまでも元気でいたいと思っている高齢者は多く、健康増進や生きがいある生活が求められています。

 剰余金を考えれば、施設整備や介護予防にもっと力を入れることはできるはずです。保険料の残高にはある程度のゆとりは必要ですが、過度な余剰金が出ることは避け、3年間の保険料は3年の間に使う計画を立てるべきです。