鎌倉市らしさが見えない機構改革

 12月議会では、機構改革が提案されています。生涯学習部と景観部を廃止する方針が示されました。

 生涯学習には、コーラスや手芸・文芸などの文化的な活動と、ダンスや卓球・サッカーなどのスポーツも含まれます。図書館も学習の場として活用されています。超高齢社会を乗り切るための生きがい対策としても、生涯学習で得た知識や技術を地域で生かせる仕組みが、ますます求められています。時流を敏感にとらえるならば、これまでの生涯学習をさらに発展させることが必要なのに、今回の改革では、部も課もなくし、生涯学習センター機能だけを教育部に置くという方向です。もっと理解できないのは、これまで生涯学習部の中にあったスポーツ課は、市民活動部に移行することになります。文化とスポーツを切り離して考えることの根拠が、スポーツはつながりを作ることができ、まちづくりになるからという理由では、納得できないばかりか、理解をすることが困難です。コーラスなどの文化的な活動も卓球などのスポーツも市民の興味関心を高め、人生を豊かにするものです。多様な人たちが暮らす今の時代に、多様な生涯学習を行なう場を整えることは公共の役割と考えます。そこには政治の色合いが影響しないことが望ましいとも思います。

 景観部は、開発への牽制力として、みどりを守る鎌倉市の方向性を示す重要な部局だと認識していました。全国に誇れる「みどりの基本計画」を作り、鎌倉市の緑地保全に努めてきました。今回の改革では、まちづくり政策部と合併します。市長のみどり行政に対する意識が薄いことの表れと言わざるを得ません。思い返せば、松尾市長初めての予算提案で、緑地保全基金への繰入金をゼロ円にしたことからもうかがえます。

 市政をスリム化することに反対はしません。生産人口の減少や経済動向を見据えると、市税の減収も考慮しなければならず、市役所も改革する必要はあります。しかし、鎌倉にふさわしいまちづくりの構想を描けない改革には、残念ながら共感することはできません。