2011年を振り返って

 3月には東日本大震災が発生し、地震と津波による未曾有の被害になりました。さらに福島第一原発の事故が起き、世界中に衝撃が走りました。放射性物質による汚染は日本中に広がり、特に幼い子どもへの影響が心配されます。原子力爆弾の唯一の被害国であり、今回の原発事故を引き起こした当事者の日本は、原発に依存するのではなく、早期に自然エネルギーへと政策転換すべきです。

 また被災地では、未だ多くの人が自宅に戻れない状況です。日本の食を支えてきた東北地方の復興が急がれる中、野田政権はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)への交渉参加を打ち出しました。TPPは、農業はじめ24分野での貿易の完全自由化を目指すものです。世界人口は70億人を超え、食糧危機がささやかれ、人が生きていくうえで、最も大切な食と農の重要性を認識し直さなければならない時代です。国民の間で賛否が大きく分かれている問題について、情報を十分提供することもなく、議論を尽くさず拙速に進めることは将来に禍根を残すのではないでしょうか。

 鎌倉市においては、ごみ問題で、市長は審議会を形骸化させ、多くの意見にも耳を傾けず、自らの計画を押し通しました。さらには、天下りとも言える副市長人事を強行するなど、市民不在の市政運営が続いています。また、職員の不祥事が相次ぎ、小町通り電線地中化工事費の不明瞭な予算執行が明らかになるなど、市政への信頼が大きく損なわれています。

 議会の役割は、市政のチェック機能を果たすにとどまりません。神奈川ネットワーク運動は、政治を身近に引き寄せ、市政に関心を持つ市民を増やしながら、市民の自治する力を強めてきました。大阪や名古屋のように、首長主導の地域政党ではその役割は果たせません。今後も、日々の暮らしの中にある課題と向き合い、市民の意見を反映した政策提案を続けていきます。