鎌倉市ひきこもり支援課の創設を

ひきこもりは深刻な社会問題

 2010年内閣府の調査では、15歳から39歳までのひきこもり人数は全国で約70万人と発表されました。支援を行なっている団体では、予備軍と言われる人をあわせると225万人と推計しています。韓国では、無重力青年と言われ、同様の現象が起きています。鎌倉市でも、ひきこもりは地域課題となっていますが、対応窓口がなく、現状把握ができていない状況です。

 ひきこもり対策のひとつとして、子ども若者支援推進法に基づき、厚生労働省事業である若者サポートステーションが鎌倉市大船にも設置され、就労支援を中心に本人のサポートを行なっています。しかし、就労に至らず、外出さえも難しい人も多く、本人への支援は段階を追って社会復帰を進めるステップアップ式のプログラムが必要です。

 鎌倉市では来年度、湘南若者サポートセンターと連携して、親子セミナーの開催などで、ひきこもりやニートなど、就労困難な若者支援を行なうとしています。しかし、第一段階のひきこもりの相談体制は未整備で、サポートセンターや市の勤労福祉課・青少年課・発達支援室・障害福祉課などで対応すると行政はたくさんあげてくれましたが、これでは迷うばかりです。相談できる窓口を設けることが急がれます。次に、いつでも気軽に行ける居場所づくりが求められます。就労支援は第3段階です。

 働ける可能性のある若者たちが、働きづらさを感じて引きこもり、さらに長期化・高齢化していく状況を放置していては、未来の社会は成り立ちません。自立に向けた支援について、ひきこもり支援課を創設して他所と連携する等、早期のしくみづくりが求められます。