鎌倉市版事業仕分けはもういらない

 国政では、衆議院の解散総選挙が近いと注目されています。原発問題の優柔不断さや尖閣諸島等の外交問題における危うさから、民主党の支持率は下がる一方です。かと言って、日本には信頼に値する政党があるのか疑問ばかりです。鎌倉市長は、国とのつながりをことさら強調して国から副市長を招き、国を模倣して事業仕分けを実施しています。鎌倉市にとってどのようなメリットがあるのか、こちらも疑問です。

 先日、鎌倉市版事業仕分けを傍聴しました。コーディネーターは構想日本で、討議人は6人。市民4人と構想日本から2人。その他に、仕分けを聞いて判定する市民評価人が10人前後入りました。今年は、「支所管理運営事務」「がん検診事業」「図書館管理運営事業」「生涯学習センター管理運営事業」が仕分けの対象でした。口火を切るのは構想日本で、全体の発言の9割以上を占めていた印象です。これでは、市民の声が反映されているとは言い難い雰囲気でした。

 内容については、行政センターの中に入っている支所と図書館・生涯学習センターの3つの機能を効率化することは必要だと思います。しかし、高齢化率27.5%の超高齢化の鎌倉市における身近な支所や生涯学習センターの有り方は、現機能をさらに向上させることも必要であると考えます。今回の議論は、安易な人件費削減・コスト削減に終始し、福祉的な視点が欠けていたことは残念です。

 市民は事業仕分けのようなやり方を望んでいるのだろうかと思います。職員が自分たちのために頑張ってくれていると思えば、感謝の言葉が聞かれるはずです。関わっている市民や職員を傷つける事業仕分けはもう止めて、各事業を担当課が自らしっかり評価すべきです。そして、誇りを持って仕事に取り組める鎌倉市役所であってほしいものです。