居宅訪問型保育に現場の声を届けよう

 子ども子育て新システムでは、平成27年度に増税される消費税のうち0.7兆円と、その他に0.3兆円を充て、総額1兆円超の予算で子育て関連の整備をすることになっています。それまで、段階的にあげる消費税の中で準備を進めていくとしています。

 子ども・子育て支援給付として、保育園や幼稚園、認定こども園の施設型保育に対しての給付と、地域型保育給付、もう一つは児童手当を設定しています。地域型保育給付の対象は、小規模保育・家庭的保育・居宅訪問型保育・事業所内保育で、多様な事業の中から利用者が選択できるしくみになります。

 「小規模保育」は、6人以上19人以下の定員で、これまで20人以上でなければ認可できないとされていた基準が変更され、小さなグループ単位での保育所が設置可能になります。参入する団体の増加が予想され、保育の質の低下を起こさないよう、実施主体である自治体の体制整備が問われます。

 また、「居宅訪問型保育」の制度設計は、ニーズ調査を実施後、詳細が決定されることになっています。神奈川ネットの保育プロジェクトでは、現在派遣型の保育事業を行なっている現場の皆さんから、現状や課題を伺いました。現場では、産前産後の体調不良などによる育児や家事が困難なケースに、多くは2時間から4時間の支援に入っているとのことでした。しかし、今のところ国では、8時間保育を想定していることが、県のヒアリングでわかりました。基準の設定はこれからとは言え、ベビーシッター的なサービスを支援対象とするには検討が必要です。自治体がニーズ調査を実施する際には、現場の声を反映させた調査設計を行ない、本当に支援を必要とする人の希望に応える制度にすべきと考えます。