豊かな地域福祉を目指して

 高齢化率が25%を超えると、超高齢社会と言われます。鎌倉市は27%を超え、まさしく超高齢社会に突入している自治体です。2000年に介護保険制度が導入され、介護の社会化が進みました。市内の2012年介護保険サービス認定者は約8850人で、2000年に比べ2倍近くになり、サービス給付額は100億円を超えました。

 鎌倉市介護保険事業の財源割合は、国からの交付金が約25%、神奈川県からの交付金が12.5%、鎌倉市の負担が12.5%で、財源の半分は公金で賄われます。残りの半分を65歳以上の第1号被保険者と40歳から64歳の第2号被保険者が負担し、現在の基準額は月額4,502円になりました。サービス利用者の増加やサービスの充実で保険料が上がることから、利用が制限されることが課題として出てきています。介護保険は、必要になった時に適切に利用できる制度として維持していかなければなりません。

 介護保険制度の充実とともに、齢を重ねても元気でいられるための介護予防がやはり重要です。歩いて行ける身近な場所に外出の場を作ること、介護にならないための医療のサポート体制を作っていく必要があります。また、介護保険サービスを利用するほどではない人でも、日常生活の中でのちょっとしたサポートが求められています。市内のNPOや市民事業等、多様な支援活動を一つにつなぐことが必要です。地域包括支援センターがコーディネートして地域に合ったサポートシステムを作れば、もっときめ細かな在宅の生活支援ができます。

 鎌倉市では昨年、地域包括支援センターに市独自の地域連携担当が配置されました。しかし、まだ具体的な活動は見えてきません。この地域連携担当を積極的に活用し、地域の福祉課題を解決するところとして、地域包括支援センター機能を充実させるとともに、地域の高齢者の実数にあわせたセンターの増設が求められます。