名越焼却炉の大規模修繕は無駄

 鎌倉市は、今泉と名越でごみの焼却を行なっています。今泉の焼却炉は、約40年稼働しており老朽化が著しく、年間1億8000万円(近年5年間の平均)もの経費をかけて燃やしています。昨年市は、岩瀬・今泉・今泉台の3町内会と、平成27年3月までで今泉クリーンセンターでの焼却をストップする約束を改めて取り交わしました。一方、30年近く稼働している名越の焼却炉は、今年大規模修繕に入りました。しかし、どう考えても無駄です。

理由①:そもそも、生ごみと下水汚泥を混ぜてメタン発酵させ、エネルギーを作る計画の中で、生ごみを抜いた高カロリーの燃焼に絶えうる炉にするために、名越焼却炉の修繕計画がありました。しかし市長は、施設を作らず生ごみを処理する計画に変更しました。紆余曲折の結果、生ごみの削減は進まず、ほぼこれまで通り燃やすことになりました。燃やすごみの内容はこれまでと大して変わらず、燃焼カロリーも変化がありません。32億円もの経費負担をして名越焼却炉の大規模修繕を急ぐ必要はありませんでした。簡易な修繕に留めるべきでした。また、高カロリー対応のための調査、市長の最初の計画に合わせた中カロリー対応のための調査、2度も燃焼カロリー変更のために調査を委託したことも全く無駄になりました。

理由②:市長は、名越焼却炉の修繕を決め、ようやく新しい焼却炉の検討を始めました。今度は、ごみを燃やすことでエネルギー回収するサーマルリサイクルの視点を入れて、焼却や資源化の最適化の検討を審議会に諮問しています。今さら何を言っているのかと思います。焼却によるエネルギー回収を考えているのなら、何故もっと早く打ち出さなかったのでしょうか!何故、名越焼却炉修繕が先だったのでしょうか?名越での焼却ありきで進め、ただ燃やすだけのために32億円も使って修繕し10年も使う政策は、時代遅れで無駄です。市長は、生ごみ資源化施設を作らず、新焼却炉構想も先送りにして逃げただけで、きわめて無責任です。