高効率発電の焼却炉見学

 

ホテルみたいな焼却施設

秦野市曽屋にある、秦野市伊勢原市環境衛生組合が運営する清掃工場「はだのクリーンセンター」を見学してきました。背景の弘法山にマッチした落ち着いた色合いの建物で、ごみ処理施設とは思えない外観です。2階は見学コースになっており、自由に見ることができます。

 パッカー車が入るプラットホームと洗車設備・ごみを貯めるピット・ストーカ炉2炉・制御室・排ガス処理施設・余熱利用設備・灰処理施設等、一つの建物の中でごみ焼却と発電が完結しています。建設費は約95億円で、国の交付金が約33億円、県の補助金が約3億5000万円です。発電効率は19.6%で、施設規模に対して高効率発電の交付要件に適合しているため、交付金は上乗せされました。ちなみに、石炭でも40%、原子力は30%と言われているそうです。

 1日200トンのごみ処理能力を持ち、年間300日稼働させる予定です。焼却時に発生する蒸気を利用して、最大3,820kw、一般家庭の約5,000世帯分の発電ができます。余剰電力は東京電力に1kwh約14.2円で売却します。経費の整理をしてみると、

①売電価格は、年間2億円の収入予測。

②運転経費は、委託費3億9000万円と焼却灰の資源化に1億5000万円、合せて5億4000万円見込み。

③伊勢原にある180トンの焼却炉では、年間6億6000万円ほど経費負担してきた。

④新施設を稼働させるための年間電気代7000万円も発電で賄う。

古い施設の約半分の経費で運転できるという計算になりました。

 日量100トン以下の焼却炉でも、発電効率12%を達成することができれば、高効率発電の交付要件を満たすことはできます。鎌倉市の場合、コスト管理もさることながら、いかにして環境負荷を最小にとどめるかの視点を優先して政策判断をしていきたいと思います。

2.4トンから2.5トンのごみをつかむ巨大クレーン