電磁波に敏感な人は鉛のヘルメットをかぶればいいのか!

 鎌倉市議会では、議会運営委員会で議員定数とタブレット導入についての検討をしています。「電磁波に弱い人は鉛のヘルメットをかぶればいい」という議員の言葉に、電磁波過敏症についての理解が進んでいない状況を痛感しています。

 化学物質過敏症については、1950年にアメリカ・シカゴの開業医であるセロン・G・ランドルフ博士が問題提起したことにより、公に知られました。日本では約60年経ってようやく2009年に厚生労働省が正式な病名リストに登録し、保険診療の対象になりました。しかし、北里大学医学部眼科石川教授、宮田教授などの限られた医師しか診断や治療ができない現状があります。

 化学物質過敏症は、化学物質の曝露が体の耐性の限界を越えることによって発症し、その後は微量の化学物質に曝露するだけで、体調不良を引き起こします。コップの水があふれた時に発症すると例えられますが、コップの大きさは人それぞれです。一人年間4キロを超える食品添加物を摂取していると言われている中、食の安全に気を付け、合成洗剤ではなく石けんを使うことや、防虫剤・芳香剤もできるだけ不使用、使っても天然由来のものにする等、体に化学物質が蓄積しないよう配慮することが必要です。特に、これから子どもを産む女性には耳を傾けてほしいと思います。赤ちゃんは、お母さんが、口から、皮膚から、呼吸から体に取り込んだもので細胞が作られるのですから。

 電磁波過敏症は、化学物質過敏症と併発する場合が多いと言われています。弱い電磁波であっても長時間浴び続ける環境に身を置くことは避けるべきです。鉛のヘルメットをかぶればいいとまで言い放ち、議会費を使ってタブレットの導入に積極的なのは何故か。ペーパーレスを求めることを否定はしないものの、腑に落ちません。