期限切れ予防接種

 鎌倉市議会で、有効期限切れのワクチン接種が問題になっています。休憩を取り、急ぎすべてのワクチンについて調査をしているところです。

 実は、721日には厚生労働省が不活化ポリオワクチンについて有効期限を確認するよう医療機関への周知を求める注意喚起の文書を都道府県に出していました。薬品会社が有効期限まで間がないワクチンを卸売業者に出荷し、病院は期限を確認せず接種してしまったというので、各地から事故報告が上がってきたからです。しかし、インターネットで検索すると、その他の予防接種についても期限切れワクチンの接種が報告されている例もありました。チェック体制を検証しなければなりません。

 鎌倉市の場合、予防接種事業は医師会と医師会に属さない41医療機関と委託契約を結んでいます。医師会は、所属している90の病院からの実施報告書を基に毎月集計し、市に請求書を提出する契約になっています。しかし、事前に押印した白紙の請求書を預かり、市が自ら請求書を作成していたことが明らかになりました。しかも20年間も続けてきたのです。新聞報道には、双方の合意と書かれていましたが、市が事務局替わりを担うことになった経緯は不明です。

 実施報告書とともに、予審表を提出することになっています。万が一の事故に備えて後追い調査をするためです。この予審表にワクチンのロット番号を添付することになっており、ここで期限切れであるかどうかのチェックも含め、不備があれば医師会を通して該当する病院に戻すことになっています。

 鎌倉市は、平成2526年で、8件の期限切れ接種の事故報告があったとのことですが、この件数を確認するためにも今回の調査は必要です。また、事故の事実、その後の対応等、これまで議会には全く報告がなく、市民の安全も市民との信頼も保てなくなります。他自治体はホームページに載せて明らかにしています。鎌倉市は、問題の所在を明らかにし、再発を防ぐためにガイドライン等の作成が必要です。