鎌倉市の生活困窮者自立相談支援事業

鎌倉市で生活困窮者の自立相談支援事業を受託している、一般社団法人「インクルージョンネットかながわ」代表理事の鈴木晶子さんにお話を伺う機会を得ました。
神奈川県内でも数少ない社協以外の民間委託で自立相談支援事業を行っています。昨年4月に事業を開始し、1年間で195人の相談がありました。そのうち28人が支援プランの策定につながったそうです。また、昨年10月からは民間の助成を受けて、地域のボランティアの協力も得て、居場所を含めた学習支援を始めています。しかし、主任相談支援員2人と相談員1人体制では、リサーチさえ進まない現状も伺いました。
まず、各自治体では困窮者の実態をどのように捉えているのでしょうか。厚生労働省がまとめた日本の相対的貧困率は、約16%とされていますが、鎌倉市の実態は、これほど多くはないと予想されます。貧困世帯のうち生活保護を受給できているのは約20%と試算されており、鎌倉市の場合では、生活保護受給者は2015年11月段階で884人であることから、4420人が困窮者と推計することができます。
2015年度にリサーチした195人は、対象者のわずか4.4%に過ぎず、人的パワーが不足しているのは明らかです。2014年度に国が行ったモデル事業から、人口10万人から20万人規模の自治体では、相談業務を行う職員の人数は平均4.2人とされていることからも、支援員の増員と合わせ予算措置が必要です。