水道法の改正は誰のため?

2018年12月13日 10時10分 | カテゴリー: 活動報告

改正水道法で意見交換

水道法改正による懸念
水道は私たちの生活に欠かせません。臨時国会で、水道事業の経営安定化のためとして、改正水道法が成立しました。水道施設を統合するなど自治体どうしの広域連携を推進することや、水道施設を自治体が所有したまま民間事業者に運営権を売却できる「コンセッション方式」を導入すること等が盛り込まれています。
民間事業者は、運営権の対価を支払って事業を行うのであり、当然収益を見込みます。赤字にならないために、コスト削減でサービスの低下や利用料金の値上げを行う可能性があります。また、日本では水道施設運営権が設定されたことはなく、この手法により国内で水道施設の運営や水の供給を行った経験のある事業者はおらず、海外資本の企業の参入が想定されます。

海外の現状
海外では民営化が進んだ結果、サービスの悪化や料金の高騰などさまざまな問題が生じたため、公営に戻すという動きが出ています。パリ・ベルリン・アトランタ等、再公営化のケースは、2000年から2015年にかけて37か国の235件に上り、南米のボリビアでは2000年に民営化による水道料金の値上げをめぐって暴動が発生したそうです。一方、日本政府は、水道コンセッション導入のインセンティブを設けてまで推進する方向で、目標件数を設定して誘導する構えです。

神奈川県の計画
下水道は市、上水道は県が責任を持って事業を行ってきました。「神奈川県営水道事業経営計画」では、水道管炉の老朽化対策、耐震化計画として、現状の年間更新率0.6から0.7%を、水道管の耐久性を考慮し100年で一巡できるよう今後5年間のうちに1%にすることを目標に掲げています。そのために、業務の一層の効率化や職員体制の整備を進め、財源のあり方についても検討するとしています。

水道は生命に関わる大切な社会基盤であり、維持・管理や運営は、地方自治体に加え国も責任を持って担い、安心できる持続可能なインフラとすべきです。