おしゃべりサロンで特養の現状を聞く

ネット鎌倉では、第3土曜日に地域で活動している市民を招き、おしゃべりサロンを開催し意見交換しています。今月は、9年間横浜と横須賀で特別養護老人ホームの施設長を務めてこられた上山眞照さんにお話を伺いました。

入所者の平均年齢は84~85歳、平均介護度は4.2、認知症等の罹患率は6割、男女比は3:7で女性が多い。入浴は週2回で、自立で利用できる人は3割・支えが必要な中間浴が3割・機械浴が4割とのこと。また、排泄介助は自立2割・介助5割・おむつ3割で、できるだけトイレですませられるようサポートしている状況がわかります。看取りは年間20人程度で、延命治療については入所の時に確認しているそうです。職員配置は、国基準では3:1ですが、現場は増やしているとのこと。個人の尊厳を重んじ、その人らしく生活するためには、介護職員の処遇改善は必要です。

施設選びのポイントは、施設の見学をし、特にトイレを覗いて清潔度をチェックすること、職員が挨拶できているかのチェック、また、介護職員や夜間体制の処遇加算をどれだけ付けているか等のヒアリングも大切だと教えていただきました。さらに、新しい施設はいきなり満床にせず、スタッフのチームワークが取れるまで一定の時間をかけて様子を見ながら進めていく運営が良いのではないかとも言われました。特養の待機者が多く入所できない声もたくさん聴きます。施設と在宅、どちらも充実させる必要があります。

最後に近隣との関係を伺いました。市との協定とは別に、独自に自治会・町内会と災害時の協定を結び、独居高齢者や要支援の人たちの受け入れをすることにしているそうです。施設選び・政策提案に向けて参考になることが多いサロンでした。