珠洲市は能登半島の最先端にあり、人口は鎌倉市のちょうど10分の一。このまちに、生ごみと下水汚泥、し尿、浄化槽汚泥、農業集落排水汚泥を集約混合処理し、発生したメタンガスをエネルギーとして活用している先進的な施設があります。最終的に出る処理残物も肥料として緑農地還元し、捨てるものがほとんど出ないしくみです。
し尿処理場の廃止という危機的な状況にあったこと、下水や、し尿処理に重油を使って、年間1億円以上かけて処理していたのが大きな負担だったこと、加えて、国の地球温暖化政策「バイオマス・ニッポン総合戦略」が後押しし、早期稼動を実現しました。鎌倉市では、37年も使っている老朽化した今泉の焼却炉を止めるべく、バイオマスエネルギー回収施設の建設を急がなければなりませんが、市長から未だ明確な指示が出ていないことや、山崎浄化センターの地盤整備に時間がかかるなどで、目標としていた平成27年の稼動も1年遅れる見込みです。
また、珠洲市は、バイオマスだけではなく、ごみの焼却灰を固形燃料にし電力に変えたり、山の頂には30の風車が回り、さらに今後太陽光発電の利用を進めるなどで、市内のほとんどの電力を賄える発電を行なうしくみを整備し、自然と共生するまちづくりを進めています。鎌倉市も珠洲市のように、循環型社会の先駆けと言えるまちにしたいものです。