武家の古都鎌倉のガイドセンター

 9月議会前の8月28日午後2時から、急ごしらえの議会全員協議会が開催されました。6月議会最終日にも行われた、扇ヶ谷1丁目にある1haを超える土地・建物の寄付と一部買収の案件です。6月には、個人所有のためという理由で見ることができなかった買収予定の建物を、今回は見学できました。しかし、写真撮影禁止の条件付きで、何かと制限が多い物件です。

 市は、そこを世界遺産のガイドセンターにする考えです。 昨年12月に報告された第3次鎌倉市総合計画第2期基本計画後期実施計画では、御成小学校の講堂を改築し、ガイドセンターにすることを視野に入れていました。頼朝の居住、大倉御所の可能性がある元治苑を守る会にも、その考えをはっきり示していたはずです。実施計画との整合性が問われる問題であるとともに、市民への信頼をなくすことになりはしないか大変気がかりです。

  さてその建物は未成年が相続しています。8年ほど前に建設され、2年余り住まわれたそうです。お母様がなくなり、その後お父様もなくなったと伺いました。外国の石に油をしみこませたという特殊な床が張ってあり、床暖房が施されています。厨房にはドイツ製と思われるコンベックなど、真新しいまま並んでいました。像の皮を張ったテーブルがセットされ、全体に日本のものは何も使っていないとも言われていますが、建物の真ん中には厳島風のお社を模した茶室がしつらえてあり、異空間の体験です。写真でご紹介できなくて残念です。また、地下のプールには驚きました。さらに、建物の空調をコントロールする機械室にはもっとおどろきました。個人の邸宅とは思えず、メンテナンスに相当な経費が予想されます。

 武家の古都鎌倉として世界遺産登録を目指す鎌倉市は、何を守り何を大事にしようとしているのか、私にはわかりかねます。鎌倉にふさわしいのは何なのか、ずっと考えています。