未利用地・未利用施設に多額の税投入

 鎌倉市では、2002年の野村総研跡地を始め、旧島村邸、旧前田邸、扇湖山荘など土地・建物の寄贈を次々と受けています。また、由比ヶ浜にある旧鈴木邸、今井邸は、1993年に約24.5億円もかけて取得しています。これらの土地・建物は、維持管理や警備費等に、合計で年間3000万円を超える経費が費やされています。有効活用されないまま、10年で3億円以上も無駄使いしていることになります。

 9月議会には、小坂小学校の学童保育の父母会から、学校の真向かいにある元北鎌倉美術館の活用を求める陳情が提出されました。しかし、市長も議会も財政難を理由に重い腰が上がりません。売却額は、現在1億3000万円になっており、市にとっては額の大きな投資ですが、遊ばせている未利用施設に長年無駄な経費をつぎ込むより、市民が今望んでいる施設を取得することに税金を使ったほうが、はるかに有益です。鎌倉市の税金の使い方は、どうも市民感覚では理解できません。

 また新たに、世界遺産ガイダンスセンターや博物館にするとして、扇ケ谷の土地・建物の取得が進められています。いくら寄付していただけると言っても、将来にわたって市民が活用できるものであるかどうかの視点で不安が残ります。鎌倉市役所は、もっと市民目線でまちづくりをすべきではないのでしょうか。