介護現場から声を出す

 鎌倉市民生委員児童委員大会・総会に出席しました。高齢者福祉について、最近のマスコミ報道も合わせて考えさせられます。

 2000年に介護保険制度が導入され、自宅での家族介護から社会が一端を担うようになり、家族の負担が軽減されました。しかし、介護認定者の増加に伴い給付抑制が現実的になり、2015年の制度改定では、要支援12の一部が市町村事業に移行することになりました。最も利用者が多いデイサービスとヘルパー事業が対象です。その先には、介護保険は介護度3以上の重度ではないと受けられないようになるのではないかと心配の声が上がっています。

 認知症の高齢者を自宅で24時間介護することは実質不可能です。家族が一瞬目を外した隙に外に出て、徘徊を始めます。今でさえ行方不明の高齢者は、1年間に1万人にも上るとのマスコミ報道がありました。鎌倉市でも、防災行政用無線で頻繁に問い合わせが流されています。また、電車事故に会い事故の責任を遺族が取らなければならなくなったというケースも放映されました。

 間もなく高齢化率30%の鎌倉市で、支える側が減少していきます。一人暮らし・老老介護が増加します。「介護は自宅で」が推奨されるようになれば、家族の心身の負担はさらに増し、事態の悪化は避けられません。生活の現場を理解した制度改定でなければ、社会全体が混乱します。政治に現場の声を届けることの重要性を益々感じています。