高浜原発再稼働を差し止め判決、住民勝訴

 高浜原発34号機の再稼働をめぐり、福井地裁は14日、運転を禁じる仮処分決定を出しました。高浜原発は、周辺住民9人の原告団が、安全対策は不十分として201412月、再稼働差し止めの仮処分を申し立て、「重大事故が起きれば、生存権を基礎とする住民らの人格権が侵害される」と訴えていました。

 この裁判の最大の焦点は地震の影響で、樋口英明裁判長は、10年足らずの間に各地の原発で5回にわたって想定を超える地震が起きたのに、基準を超える地震が高浜に到来しないというのは楽観的見通しに過ぎない」と断じました。また、今年2月に、原子力規制委員会の審査に合格していますが、新基準は「深刻な災害を引き起こすおそれが万が一にもないといえるような厳格な内容であるべきなのに、緩やかにすぎ、安全性は確保されない」と指摘し、政府が世界最高基準と自負したものを批判しました。基準の見直しが求められています。

 原発の運転をただちに差し止める司法判断は初めてで、仮処分決定は法的な拘束力を持つため、今後の司法手続きで覆され、取り消されない限り、再稼働はできないとのこと。再稼働の申請が24基。また、来週には川内原発の裁判が控えています。福島を二度と繰り返すことがないよう、安全性を追求し、裁判官の賢明な判断を求めたいと思います。

 また、私たちは、3.11を決して忘れない。日常生活における節電、省エネ、エネルギーを大切に使う意識をきちんと持って、引き続き原発のない社会を訴えていきます。