お手盛り議員年金復活の動き
神奈川ネットは1999年から「議員年金廃止運動」に取り組み、2006年に国会議員年金、2011年には地方議会議員年金が廃止されました。しかし、未だに受給権のある退職議員には議員年金が支給され、完全廃止まで何十年間も税金が投入され続けます。市議会議員共済会から毎年負担率が提示され、鎌倉市は2015年には9573万5120円もの経費を拠出しました。
驚くことに、新たな議員年金制度を復活させようとする動きが出ています。全国都道府県議会議長会は、この9月に地方議会議員の厚生年金制度加入に向けた活動方針を決定し、2016年秋の臨時国会での関係法案の成立を目指すというのです。厚生年金は被用者のための年金制度で、保険料の半分を事業主が負担しています。議員の場合は、当然税金を投入することになり、全国で毎年約170億円もの市民のお金が使われることになるそうです。
そもそも地方議会議員年金は、高齢化による年金受給者の増加、定数削減による掛け金納付者の減少で公費負担を増加させた挙句に破たんしたものです。現在、議員はそれぞれ国民年金に加入しています。国民年金だけでは生活できないという課題を投げかけるのなら、自らの経済的な身分保障を求める前に、国民年金制度改革にこそ着手すべきです。非正規雇用で働く人の中には、掛け金を支払えないという現実がある中、税金を使って議員だけが豊かになる特権的な提案は、到底市民に受け入れられるものではありません。
折しも政務活動費の不正受給が全国的に問題になっている時です。議員が税金からどんなお金をどう受け取って活動するのか、今まさに問われています。