鎌倉市議会傍聴記~一時預かり保育の課題~
鎌倉市議会は、まず一般質問から始まります。一般質問が終わり次第、常任委員会で、教育子ども・観光厚生・建設・総務常任委員会の順番で進みます。21日の教育子ども常任委員会で注目した議題は、待機児童を一時預かりの定員枠を利用し「緊急一時預かり子ども」として保育を受けられるようにする関係条例の改正です。これは、すでに昨年3月に国が緊急待機児童対策の一つの手法として示したものです。今回の改正案では、「緊急一時預かり」を公立園2園(岡本と深沢)で実施し、保育料については認可保育園に準じ所得に応じた設定になっています。
一時預かり保育は、現在公立6園中3園で、私立17園中7園で実施しています。短時間の就労、緊急やレスパイトケア、また待機児童の受け皿としても利用されてきました。待機児童になって一時預かりを利用した場合、保育が受けられる子どもとして認定されながら、認可保育園に比べて利用料がかさみ親の負担は大きくなっている不公平を、神奈川ネットは指摘してきました。今回の条例改正は、待機児童対策と負担の公平性の観点で、まずは一歩前進と受け止めますが、保育士確保という大きな課題が残っています。
また、一時預かりの利用料は、公立園では1時間400円、私立では設定が異なり高額になっていること自体が利用者にとって公平ではないというそもそもの課題があり、そこに着手しなければなりません。今回の緊急一時預かりが公立2園に留まっていることは、私立園を利用する場合との利用料負担の格差解消にはならないばかりか、格差が拡大する懸念があります。待機児童として他園の一時預かりを利用する場合の支援策など、さらなる改善が必要です。