港湾道路の危険

国道134号線の陥没現場から

 由比ガ浜から七里ヶ浜間の国道134号線が、昨年10月、台風による大波で陥没した現場を取材しました。本来砂で覆われているはずの、道路の土台になっているコンクリートの杭が、砂が減少したことでむき出しになっています。杭と杭の間の砂が流出し、空洞化しています。また、ブロックの目地が大きくひび割れしていることも気になります。国道134号線は1955年ごろに建設され、全国的にも港湾道路の補修が課題になっていると聞きます。

 さらに道路下には、下水管が埋設されています。下水管の破裂が原因で道路が陥没することが一般的ですが、今回の陥没はそうではありませんでした。原因は不明ですが、今後心配されることは、道路が崩れることで下水管の位置がずれ、崩壊し汚水が海に流れ出ることです。

 国道は県の藤沢土木が管轄しており、維持管理に関しては5年に1度の踏査を委託で行なっていると言っています。しかし、潮風にさらされ海水に洗われるという気候的に悪条件であること、12時間で1万6000台の交通量の多さであることから、道路も道路の土台部分の劣化も進んでいるものと予想されます。もっと頻度を高くしてスコープ調査などの専門的な検査をする必要があるのではないでしょうか。

 県土木課では、当初崩落した箇所のみの修復で、抜本的な修復はしない方針でした。ネット鎌倉は、人命に関わる問題であるとし、きちんとした調査と道路修復を要望したところ、次年度に予算をつけ、調査を実施するとの回答を得ました。鎌倉市は、市道ではなくても、県や国に勧告を出すことを視野に入れて、市内の状況把握をしておくことが必要です。