市民不在の事業仕分けは無用です

現場の声を反映してこその行財政改革

 鎌倉市議会では、2011年度予算に対する会派の代表質問が2月23日・24日に行なわれました。神奈川ネットワーク運動は、無縁社会と呼ばれる現代社会を分析し、まず社会構造の根幹をなす地域の再生が最重要課題であると主張しました。市民生活に密着しているサービスを行なう市町村の自治体には、子育て・高齢者福祉・ごみ問題などの地域課題を、市民の視点で捉えることが求められます。

 鎌倉市では、すでに多くの市民が、NPOやワーカーズコレクティブ・市民活動などを通して、生活課題の解決に取り組んできました。市民が公共性の高い仕事を担うことで、行政の既存のしくみを評価し、改善点や新たなしくみを作る必要性に気づくのです。昨年行なわれた事業仕分けの成果として、職員の意識改革になったと市長は答えましたが、果たしてそうでしょうか。地域の中を駆け回っている現場の声を聞かずして、行政職員の意識改革はあり得ないと思います。

 市役所内で、鎌倉市の事情を熟知していない専門家などによる事業評価や、計画立案を行なうことには賛成しかねます。自分の住むまちで、長年活動を積み上げてきた市民の声を受け止め、その声を生かしてこそ、市民生活の豊かさにつながる鎌倉市政になると考えます。

 14日から予算特別委員会が始まります。神奈川ネットワーク運動では、事業仕分けに対する疑問や、地域再生につながる地域福祉の重要性・市民協働の必要性など、市民目線で率直に議論を展開していきます。