やっぱり変な地域手当

鎌倉市に適した給与体系を

 滋賀県議会は、地域手当の支給率0.3%引き下げ条例を議会が決めたことで注目されています。その動向は見守るとして、ネット鎌倉が主張してきた地域手当について、再度考察します。

 地域手当の前身は、調整手当という名称で、物価及び生計費が高い地域に在勤する国家公務員に、暫定的に3〜10%の範囲で支給されていました。地域手当は、国の給与構造改革として、国家公務員の給与を2006年から5年間で4.8%引き下げる際に、地域間格差が生じないように創設された制度です。(俸給+俸給の特別調整額(管理職)+専門スタッフ職調整手当+扶養手当)の月額×支給割合が支給されます。人事院が全国最低賃金を勧告するとしたことから、前述の調整手当では地域格差が解消できないとして、3〜18%の6段階に指定し直しました。地域手当というより、物価が高い地域のための都市手当としたほうが適切な表現かもしれません。

 国家公務員に準じて、地方自治体職員にも適用されています。国の基準は、鎌倉市は15%で厚木市とともに県下トップの支給率です。横浜市・川崎市は12%、藤沢市・茅ヶ崎市は10%、三浦市は3%と、それぞれ指定されています。鎌倉市在住の職員は約37%にすぎず、生活の実体が鎌倉市にない職員が多く、公平性がありません。神奈川県職員の地域手当は12%です。条例では、「民間の賃金水準を基礎とし、物価等を考慮して支給する」とされていますが、地方自治体での支給には問題があります。

 また、鎌倉市のラスパイレス指数(国家公務員を100%とした場合の給与比率)は、2010年度は102.6%、2011年度は102.3%と高くなっています。国に準ずると言うのなら、ラスパイレス指数を100に近づける必要があります。しかし、地方分権・地域主権の時代においては、地方自治法204条に則って、各種手当は支給するもしないもそれぞれの自治体が条例で定めることができます。矛盾だらけの地域手当は見直し、鎌倉市に適した給与体系にすべきです。