修学旅行は日光ですか?

予防原則を適用

 修学旅行のシーズンです。鎌倉市の教育委員会曰く、「日光は受け入れ態勢が整っている。一番安価で一番安全である。変更する予定はない。」放射能の安全性に疑問を投げかけている保護者に対して、下見の際に自ら測定を行なってきたわけでもなく、何を根拠に一番安全だと言えるのか疑問が払拭されません。今年、他の候補地をどれくらい探したのか、どこと比較して日光が優れているのか、安全だとするデータを示し、検討結果を公表すべきです。保護者が安心できる材料を示すべきです。情報提供が足りません。

 福島原発4号機が危険な状況であるとも言われている中、またもや大きな地震が発生するなど、心配にいとまがありません。防災教育で著名な群馬大学大学院教授の片田敏孝先生は、「逃げることに主体的であれ」と言われました。私は、この言葉は予防原則だと思っています。誰も逃げないのに最初に逃げだすのは、直感的な判断と勇気がいります。逃げなければ命が危ない。放射能対策も同じです。回避することにもっと主体的であってほしいものです。

 あまりうるさく言うと、無策のまま、修学旅行は中止すると言いかねません。行きたくない子は行かなくていいと言うのでしょうか。給食食材の放射能対策を求めた時には、「給食をやめて全員にお弁当を持ってきてもらうしかない」とまで言ってきた鎌倉市の教育委員会です。行き先は校長会で決めているということですが、日々奔走している現場の先生方をサポートするのが教育委員会ではないかと考えます。真剣に修学旅行について検討されることを望みます。

 「ただちに影響がない」と言った国の言葉は、大変重いものです。将来にわたって影響を及ぼし続ける放射能問題を深刻に受け止めなければなりません。究極の予防原則が問われています。