原発ゼロに向けて

敦賀原発の活断層と大飯原発再稼働について

 3.11は、日本列島に影響を与えました。昨年3月以降、断層の動きが活発化し、マグニチュード5以上の地震が740回以上起きているということです。地震の断層への影響を再調査している中で、敦賀原発の地下を活断層が走っていることが分かったと報道されました。敦賀だけではなく、浜岡が活断層上にあることは以前から有名です。断層の長さも正確に調査し直し、正しい情報を出すべきです。阪神淡路大震災は活断層によるもので、高速道路は横倒しになって倒壊し、各地に地割れが走った映像が思い返されます。

 また、定期点検で停止中の大飯原発は、若狭湾に面して建てられています。この地域に起こる地震や津波の予測は甘く、事故は想定外とされています。自然を甘く見てはいけないことは、福島の震災で身に染みたはずです。教訓がまったく生かされていません。さらに4基の原発がわずか300メートルの中に隣接して建てられており、事故が起きた場合、緊急対応ができるのか、懸念されています。にもかかわらず、保安院が作成した即席の判断基準で、しかも専門家でもない政治家が再稼働を安全と言うなど、あり得ない方向に進もうとしています。

 関西の水がめである琵琶湖の汚染を懸念する滋賀県知事や、京都・大阪の原発周辺自治体は再稼働に反対を表明しています。一方、原発の立地自治体への交付金は、原発が稼働していなければ支払われない仕組みになっており、このままでは福井県や大飯町は財政難、雇用の喪失に至ります。住民説明会では、安全性を心配する声は多く、地域の意見が分かれる中、再稼働についての決断を迫られています。原発は、こうやって地方や地域を分断してしまうのです。補助金漬けで地域に原発を押し付けてきた罪を、現政権もこれまでの政権も、ともども自覚し、再稼働ではない本当に必要な立地自治体への支援のあり方を考えるべきです。

 私たちの生活は、より多くのエネルギー消費の上に成り立っています。ライフスタイルを見直し、上手に省エネルギーを実践し、再生可能エネルギーを積極的に導入できるよう、地方自治体として最善を尽くすことが求められています。