13歳の命

 大津市で昨年10月、13歳の中学生が自ら命を絶ったことが報道されています。またしてもいじめが原因ではないかと思われます。しかし、学校も教育委員会も事実を遺族に伝えることなく、9か月が経ちました。また、遺族は、暴行容疑の被害届を出そうと警察に3回相談していますが、すべて受理されなかったという事実も明らかになっています。警察は、今頃になって事実解明に乗り出さなければならないと判断したとしていますが、腑に落ちない判断です。

 13歳の子どもが何故自ら命を絶たなければならなかったのか。繰り返されるいじめの問題、文科省はどう考えるのでしょうか。すべての関係者の動きが鈍いのであれば、文科省が公平な立場で調査をすることが必要です。

 人と触れ合うことが少なく、バーチャルな世界で遊ぶことが多くなった現代の子どもたち。加えて、学校は安全性を重視し、多様な人と自由に交流しにくい環境にあります。閉鎖的になる可能性が高いと言えます。どうやって人と触れ合い、人の痛みを理解することができるのか、家庭力が落ちているとも言われる社会で、学校教育を根本から見直す必要があるのではないでしょうか。教育現場と距離感を置いた人材を配置することも必要です。命の尊さをわが身に感じる教育でなければならないと考えます。