あなたが主人公、高齢者の心を開く回想法
認知症ケア、閉じこもりを予防する「回想法」の実践講座を開催しました。講師は、社会福祉法人 麗寿会の福島廣子さんです。参加者は40代から80代の女性です。
回想法は、アメリカの精神科医ロバート・バトラー氏が、1960年代に提唱した高齢者向けの心理療法です。かつて経験したことを話すことで、場面を思い出し、記憶のトレーニングをし、脳を活性化させます。自分が確かに存在していたことを認識し直し、あらためて自尊心を持てるようになるとも言われています。
今日は、10人ほどのグループで実践しました。テーマは、「小学校に入る前の子どもの頃の思い出」。それぞれふるさとが違い、年齢も違います。満州から引き上げてきた苦い経験の人があり、疎開先でのんびり暮らした人もありました。繁華街のそばで育った人の話など、私は興味津々に聴き入りました。人生はいろいろで、楽しさも悲しみも紡がれていることが分かります。聴く側は、話をしている人が主人公になり、気持ちよくなれるように、否定せず気持ちに寄り添うことが大事だと習いました。本人が気持ちがよいと、回りも同じ気持ちになれます。
鎌倉市は高齢化率が27.5%です。超高齢社会を乗り切るために、身近なところで集まれる拠点が必要です。また回想法は、地域コミュニティのツールとしても使えるそうです。多世代が参加しやすい「回想法」等の手法を取り入れ、人の心が元気になる地域づくりが求められます。