地域が期待する子育て拠点の整備
9月議会に、大船第2子ども会館・子どもの家の移設に関する陳情が出ていましたので、現場に再調査にいきました。夕方4時半少し前、玄関ドアを開けると、子どもたちの元気な声と姿が飛び込んできました。「新しい先生?」と聞いてくれる子もいて、照れてしまいました。5時過ぎると、お母さんたちが迎えに来ます。
鎌倉市の学童保育は「子どもの家」と呼び、子どもが学校から家に帰る環境を作ることを重要視しています。1校に一つの子どもの家の整備はできましたが、学校から遠すぎるという課題が残されている施設が3か所あります。その一つが小坂小学校対象の大船第2子ども会館・子どもの家です。またこの施設は、市が3年おきに行なっている建物の点検で傾きが報告されています。しかも2008年にはすでに傾きが判明していたことが、6月一般質問で明らかになりました。長年放置した市の責任は免れません。しかも、2年前に、小坂小学校の学童保育移設の陳情が上がった時には、市から傾きに関する情報提供はなく、事実は伏せられたまま議会は審査したことになります。
先の6月議会以降、市長自ら大船第2に出向き、ボールが転がる様子を見て、旧北鎌倉美術館への移設を希望する保護者に対し、「父母会の意見が割れてはいけないので、総意で要望を出してください」と言ったそうです。その言葉通り、父母会の役員たちは、夏休み返上で総会の準備をして開催し、総意を取ることに奔走しました。市長だけではなく、議会にも理解を求めるために陳情の署名活動を始めたと話していました。
北鎌倉美術館を地域の子育てや福祉的な拠点として整備してほしいという思いは、学童の父母会に留まらず、地域の要望に拡大してきています。乳幼児がいる親からも、父母会OB・OGからも、町内会からも期待を寄せられていると伺いました。学校敷地内に設置する可能性も探るべきと考えますが、北鎌倉美術館に対する期待が大きいだけに、それを超える地域の拠点となり得る施設整備が求められています。地域課題をどのような形で受け止めるのか、知恵の出しどころです。