福島を忘れない
東日本大震災と原発事故による福島県外への避難者は約6万人で、そのうち自主避難者は3万人弱と推計されています。避難指示を受けた住民には一人当たり10万円支給されています。指示を受けた人と受けなかった人の間で、感情がもつれています。また、自主避難した人、県内で暮らすことを選んだ人、家庭の事情でそれぞれの判断をしていますが、放射能問題の意見の対立から離婚に至るケースや家族の断絶が生じることもあります。補償と放射能問題は、今後より一層、家族や地域を分断させることになるではないかと懸念されます。
原発の立地自治体には、大きなリスクを背負わせている代償として、国は多額の交付金を支払っています。しかし、福島のようにひとたび大災害が起きてしまったら、人の命に見合うものではありません。今年の夏、鎌倉市で市民団体が開催した原発についての自主的意見聴取会で、「経済か命かどちらが大事か」と言われたことを思い出します。命の尊さを知っているなら、原発は止められる。