東電の暴走と阿部政権の原発回帰

 柏崎刈羽原発は、東京ドーム約90個分に相当する広大な敷地で、この中に7つのプラントが設置されています。原発としては世界最大です。柏崎刈羽原発は、6号機が昨年3月に定期検査入りして以降、発電が行われていません。

 東京電力は、6、7号機の再稼働に向け、8日の原子力規制委員会に安全審査の申請をする方針を示していました。新潟県泉田知事は、東電社長に急ぐ理由を質したところ、「3期連続の赤字は避けたい」と答えたことで、安全性より収益改善を優先していることを指摘しました。

 さらに、原発の新規制基準で義務付けられるフィルターベント(格納容器内の圧力を下げるベント(排気)の装置に放射性物質を濾過するフィルターを設置)の設置工事を自治体の了解なしに始めたことについて、「事前了解なしに申請はあり得ない」として反発を強めました。県と東電の安全協定を無視した東電の暴走を食い止める必要があります。

 安倍晋三政権は、民主党政権が掲げた「2030年代に原発稼働ゼロ」を「ゼロベースで見直す」と断言し、「安全が確認された原発は再稼働する」とも明言しています。福島原発事故の検証すら不十分で、事故の責任も取っていない状況です。柏崎原発の安全性は誰が保障できるのでしょう。東電の暴走は、阿部首相の原発回帰の発言が拠り所とも思え、大変危惧いたします。このままでは、福島の教訓は生かされません。