迷走を続けるごみ問題
鎌倉市の焼却施設は、今泉と名越にあります。稼働後約40年経って老朽化している今泉は、平成27年3月には停止することが決定しています。一方の名越は、今年度大規模修繕に入りました。
燃やすごみの4割を超える生ごみの資源化は、鎌倉市にとって長年の課題です。市長は、生ごみ資源化施設を作らないと決め、代替案として市民や事業者に処理を委ねる計画に変更しました。当初は約7000トンの生ごみを処理することになっていましたが、結局ほとんど失敗し、燃やすことになりました。神奈川ネット始め多くの議員が指摘した通り、ごみ処理は生活現場の問題であり、机上の計画では通用しませんでした。
市長は、生ごみ削減失敗の見直し案として、戸別収集・有料化を前面に打ち出して、今や計画の最重要施策にしています。しかし、現在資源物として分別しているものも、新焼却炉構想の中で燃やすことになるかもしれず、この先の分別・資源化や焼却のあり方は審議会に諮問したばかりで、何も決まっていません。神奈川ネットは、資源化できるものは資源化し、燃やすごみを減らし、最終処分を少なくする政策を主張し、その中で燃やすごみの有料化と戸別収集の導入を進めてきました。現段階で、戸別収集・有料化をセットで決行することは控え、早く新焼却炉の構想を打ち出すべきです。
戸別収集・有料化での削減見込み3500トンの替わりとして、私は、自区外処理を提案しました。他自治体にお願いする場合、運搬費も含め年間1億500万円ほどとの答弁がありました。今泉の焼却炉は、年間1億8000万円(近年5年間の平均)の経費を使っており、当面、今泉を止めることで捻出できる経費を当てられます。その時には、有料化も含めあらゆる方策で、市民も事業者もごみ減量のために最大限の協力が求められます。
市長は、生ごみ資源化施設を作らないと決めた時点で、新焼却炉の提案があってしかるべきでした。新炉を作るためには10年の年月が必要だからと言って、名越の焼却炉を32億円も使って新築リフォームしたのは、新炉決定から逃げただけです。