豊中市の雇用・就労支援
2月10日、神奈川ネットの若者就労支援プロジェクト、障がい者就労支援チーム、地域福祉プロジェクトメンバー12人で、豊中市の地域就労支援の取組みを視察しました。
まず、豊中市の地域就労支援の拠点「生活情報センターくらしかん」で、市民協働部理事の西岡正次さんに、「豊中市の雇用・就労支援と生活困窮者自立支援法について」お話を伺いました。
豊中市は、「地域就労支援事業」を2003年にスタートさせ、雇用・就労支援を本格化させました。その背景には、大阪府が2002年より就職困難者等、つまり「働く意欲・希望がありながら、雇用・就労を妨げる様々な阻害要因を抱える方々」を対象に「地域就労支援事業」を市町村で開始したことがありました。ハローワークとは違い、時間をかけて相談に応じ、居住地域内で支援が得られる市町村独自のサービスは貴重です。
また、豊中市は、地元企業との橋渡しをする無料職業紹介所(2006年開設)で、地域の労働市場とつながった職業紹介を行なっています。就労を希望する求職者だけではなく、求人企業への働きかけも同時に行ない、人材紹介のマッチングを行ないます。多様な労働力を企業がどうデザインするのかという視点で企業のサポートを行なうことが、実習の場を広げることにつながっています。
さらに2013年3月には、困窮者を早期発見するために「くらし再建パーソナルサポートセンター」を開設しました。積極的に相談窓口を紹介する一方、公共料金などの徴収窓口もネットワークし、滞納しがちな人に「困ったことがあれば相談しては?」といった声掛けを行なう場合もあるそうです。生活保護の手前でセーフティネットを張る取り組みで、見えなかった困窮者が浮かんできたということです。
他にも、「とよなか若者サポートステーション」の開設や、健康福祉部との共同事業、緊急雇用創出基金事業による多様な雇用事業の立ち上げ等、就労支援をベースに就労を阻害する個別の問題を解決するための相談・支援の充実を図ってきました。10年間の実績を土台に、多角的に事業を展開し、2015年から本格的に始まる生活困窮者自立促進支援制度の整備に向けて、着実に準備を進めていました。
お話を聞いた後はフィールドワーク。若者の居場所工房「ぐーてん」では、牛乳パックで紙すきをしていました。シングルマザーを対象としたレストラン「ぐるり」では、働きながら調理師免許とヘルパー2級の資格取得をサポートします。最後に、クルーンランド内リサイクルプラザでの資源化物手選別事業を受託している障がい者就労「きると」に伺いました。意欲的に仕事をされている姿は気持ちが良い。