鎌倉市の保育園に入れない子ども224人で大ピンチ

 鎌倉市の保育所の申し込み人数は、今年は653人で、前年に比べ100人近くも多くなっています。現時点で希望通り保育所に入れない子どもは、すでに224人にも上っています。フルタイム就労でも入れないという声も聞こえてきて、ピンチです。2015年度から始まる新制度に向けての期待からか、潜在的保育ニーズの高さが伺えます。

 新制度では、パートタイム勤務等の短時間労働も保育認定の対象になります。国は、認可保育所の短時間保育を利用できる保護者の就労時間の下限を「月48時間~64時間の範囲で市区町村が設定する」としました。鎌倉市は現在75時間以上の就労が入所要件であることを考えれば、新制度では益々保育希望者が増えます。施設整備は必須です。

 鎌倉市の保育所の整備状況は、今年9月に認定保育室「みつばち」がようやく認可園として台に移転します。その後、玉縄方面では、フラワーセンター苗圃跡地での民間保育所と岡本保育園の建替えに向けて準備が進められます。鎌倉方面では、材木座・稲瀬川保育園の2施設を統合し、旧鈴木邸への新築移転が計画されていますが、定員増ではないうえ、近隣住民との調整はこれからです。

 認可保育所に加え、一時預かりや小規模保育で多様な子育てサービスが求められます。小規模保育は、原則最も待機児童の多い02歳児を対象としていることや、設置がしやすいこと、さらに地域の潜在保育士が復帰する職場としても期待されます。国の待機児童解消加速化プランにより、県は2014年度に小規模保育施設設置の予算を計上しており、すでに複数の自治体が手を挙げています。鎌倉市は、出遅れないよう国・県の動きを察知し、待機児童解消を急ぐべきです。

 同時に、保育資格を持っている人、子育ての経験者等を対象に、県と連携して研修制度を確立させ、早急に保育者の確保も必要です。