藤沢市福祉総務課が進める避難行動要支援者対策

 20136月に災害対策基本法の改定が行われ、これまでの「災害時要援護者」という名称から「要配慮者」と「避難行動要支援者」の二つの名称に変更されました。法改定により、市町村は今年度から避難行動要支援者名簿の作成を義務付けられています。

 神奈川ネット鎌倉では、防災プロジェクトを立ち上げ、避難行動要支援についての政策提案に向けて取り組みを始めました。まず、災害時に支援が必要な人の対策について、福祉部福祉総務課が担当して取り組んでいる藤沢市に、プロジェクトメンバー5人で聞き取りに行きました。

 藤沢市では、国のガイドラインに基づき、すでに2010年度から対象者を決めて災害時要援護者名簿を作成し、自主防災組織等に名簿の提供を行なってきました。477ある自治町内会のうち、20143月末時点で、約6割の285の自治町内会が名簿を受け取り、50ぐらいの団体が具体的な取り組みを進めているとのことです。課題は、自治町内会の取組に温度差があり、支援を求めている人があっても町内会が手を挙げないとマッチングできないことです。民生委員さんにカバーしてもらっているそうですが、取り組みが進まないエリアの民生委員さんに負担が集中する心配があると思います。

 また、藤沢市は昨年「災害時要援護者避難支援ガイド」を作成し、支援方法について県内初の動画配信を始めました。マスコミにも紹介されました。動画の作成費は、ふるさと雇用再生特別基金を活用し、藤沢市福祉団体連絡会が監修しました。補助金の使い方も大いに納得でき、鎌倉市も是非見習ってほしいものです。

 春は各団体の総会が開かれます。藤沢市福祉総務課3人の担当職員は、「藤沢市避難行動要支援者避難支援プラン全体計画」(案)を携えて、精力的に地域を回り説明会を行なっている様子が伺えました。法が整備されても生かすことができなければ、市民の安心・安全な暮らしを守ることはできません。鎌倉市の場合は、まず避難行動要支援者の対象を決めることから始めなければならず、出遅れています。地域に向けて早め早めの動きを作ることは大変重要です。