NPO法で市民社会に資金の循環を作る
2011年にNPO法が改正され、NPO法人への個人寄附について税制の優遇措置を拡大し、寄附を促進するとともに、認定NPO法人の拡大をめざしました。神奈川県は、全国に先駆けて2012年にNPO指定条例を策定し、活動を支援してきました。寄附金の税額控除は、県民税の場合4%、市民税では6%が対象となっています。現在、県指定のNPO法人は36団体になり、今議会でさらに2法人の指定が議題に上がっています。鎌倉市も県指定のうち4法人を指定しています。成果や金額的な検証はこれからです。
国は、法人税引下げの穴埋めとして、軌道に乗りかけたNPO法人優遇税制をはじめとして、公益法人、生協法人、医療法人、宗教法人などへの課税特別措置の見直しを検討し始めているとのこと。県の指定を受けたNPO法人はじめ地域で活動している市民団体から心配の声が上がったことから、神奈川ネットでは、7月7日、県のNPO協働推進課との円卓会議を設定しました。
現場からは、認定を取ったことで内部の意識改革が進み、誇りとやる気が出てきた。寄付が増えた。また、みなし寄付制度により損金算入できたことで、民際交流の資金が確保でき、事業が充実してきた。など、市民社会に資金が上手く循環し始めた状況が報告されました。指定や認定を取ったNPOは、信頼を得る先端を走っている団体で、全国3000あるNPOの底上げになると県も評価しています。
神奈川県は、ボランタリー団体等との協働事業を進めていくことや、その活動を促進するための支援を目的として、2001年に「かながわボランタリー活動推進基金21」を設置しました。県が持つ債権を活用した総額約100億円の基金です。市民活動が重要だという考え方は根強くあります。
これまでも制度の充実について、直接国に個別の提案をしてきたそうです。円卓会議の最後に、今回の税制の見直しについて、国への要望の提出を求める声が多く出されました。寄付の成果の検証はこれからという段階であり、NPOが元気に活動し市民社会が豊かになるために、現場からの発信は有効だと感じました。今日は良い意見交換でした。