鎌倉市海水浴場のマナーの向上に関する条例を改定

 今回の議会で、「鎌倉市海水浴場のマナーの向上に関する条例」を改定し、規制を強化する議案が提案されました。この議案に対し、「マナーの向上」を「風紀の維持」に改め、海の家の営業時間を午後830分までとするという内容の修正案が出されました。結果は、修正案に賛成は少数で、原案が可決しました。神奈川ネットは、原案に賛成、修正案に反対の立場で意見を述べましたので、以下に記します。

「昨今の海水浴場は、無節操な飲酒による泥酔者等がマナーに反する行為を行うなど、良好な環境とは言えない状況であるとのことで、条例を改定し、「マナーに反する迷惑行為」としてきたものを「禁止行為」に改めるなど、規制をかけなければならなくなったことは、大変残念です。鎌倉市が条例で規制を強化すれば由比ガ浜や材木座の海岸は平穏になるかもしれませんが、別のところに問題は移行するだけで、迷惑行為の根本的な解決にはなりません。

 また、確かに海水浴場は市が管理することになっており、毎年数千万円の経費をかけていますが、海岸利用は海水浴だけではありません。海岸自体は県の管轄で、海の家の営業についても県が許可を出し、占用料も県が徴収しています。海水浴場を管理するということをもって、夏の間の海岸の環境維持を、市が個別の条例で縛るということ自体、無理があると考えます。

 市では今、「鎌倉市海水浴場のあり方・ルール協議会」において、県、海の家の事業者や地域住民等が参加し、営業時間等のルールをめぐる話し合いが続行中です。誰もが快適に海岸を利用できるよう、市長は、事業者や地域住民と充分協議することが必要です。また、海岸は広域の課題であることから、自治体間の協議を進めるために、神奈川県にはイニシャティブを取り責任ある役割を果たすよう求めるべきです。厳しく規制をすることは本意ではありませんが、これ以上、環境を悪化させないとの考えのもと、しばらく本条例の改定で様子を見るという立場で、原案に賛成いたします。」