つながり認め合う社会に
戦後70年の昨年は、世界各地ではテロが起こり、11月にパリ市街地で起きた同時多発テロは130人もの犠牲者を出しました。フランスはテロの実行犯とされる過激派組織ISに対して、これまでにない空爆を実行し、各国も追随しましたが、報復の連鎖が大変心配です。テロの背景には、差別や格差・貧困が拡大する社会に対する若者の怒りや不満が根深く存在しています。またテロの後、一般のイスラム教徒への嫌悪感が一層強まり、移民や難民の受け入れを拒む声も上がり始めました。価値観の違いを受け入れず、社会の分断が進めば、ますます対立は激化していきます。
日本では、昨年9月に、民意に反し安全保障関連法案が強行採決されました。若者たちも、議論は尽くされておらず納得できないと感じ「民主主義ってなんだ!」と叫び続けています。防衛費は増加の一途をたどり、2016年度は初めて5兆円を超えます。米国との一体化が進み、戦争に巻き込まれる可能性が高まっています。経済政策では、現政権は企業の利益優先の経済政策を進めていますが、労働の現場では非正規雇用は2000万人を超えている現状です。格差は拡大し、特に若い世代の不満や将来への不安が広がっています。政治も経済も国のコントロール下におかれ、市民の生活や気持ちは置き去りにされているように思います。
差別や格差をなくし、誰もが幸せを描ける社会でなければなりません。地域には地道に活動を続けている市民がたくさんいます。子育てや若者支援、高齢者・障害者支援、介護、DV、化学物質や電磁波対策等。神奈川ネットは、生活の現場で活動する多様な市民とつながり合い、お互いに認め合うことで、強く柔らかな市民社会を作っていきます。