1月9日19時、小林節氏きらら鎌倉で講演
今年は憲法公布70年の節目の年です。昨年は、「憲法違反」とする学者や弁護士、歴代の法制局長官はじめ多くの民意に反して、安全保障関連法案が強行採決の末、成立しました。集団的自衛権の行使を可能とし、自衛隊の海外での活動が一気に拡大する可能性が高くなりました。テロに対する空爆を強化する国に協力することは、戦争に巻き込まれる可能性が高まったと言っても過言ではありません。
また政府は、参院選後に「緊急事態条項」の創設を手始めに改憲に取り掛かる方針を明らかにしています。大規模災害に対応した「緊急事態条項」の追加と言えば、国民の理解が得られやすく、改憲の抵抗感が薄らぐという思惑があるとも言われています。昨年末に鎌倉で講演された伊藤真弁護士は、「世界の国々の憲法に緊急事態条項はあるが、すべて緊急事態=戦争(武力攻撃)という文脈であり、災害対策でこの条項を持っている国などない。自然災害時には、現行の災害対策基本法でも首相が緊急事態を宣言でき、緊急事態条項は必要ない。」と述べられました。
3年前に発表した自民党の改憲草案には「首相が緊急事態宣言をすると、内閣は法律と同じ効力を持つ政令を発することができる。国民は従う義務を負う。」とされています。災害対策の名のもとに、国民の権利や自由を制限し、政府が立法権まで握るということは、憲法が停止状態になり、政府に歯止めがかからなくなります。自治体への影響も想定できます。日本国憲法は、先の戦争の反省の下に、政府の暴走を食い止め規制をかけるものです。憲法学者はじめ、緊急事態条項の創設は、立憲主義を真っ向から否定するものだとの批判が上がっています。小林節さんの話を聞きましょう。