マイナンバーによる各種証明書のコンビニ交付

鎌倉市は、2017年度からマイナンバーによる住民票と印鑑証明のコンビニ交付の手続きを始める方針です。2016年度はシステム構築を行う予算が提案されていますが、マイナンバーカードを手にしている人は、まだ840人に過ぎません。

昨年10月から住民票を有している市民に12ケタの個人番号の通知カードが郵送されてきました。写真を同封して申請書を送ると、プラスチック製のマイナンバーのカードが作られ、市役所の窓口で受け取れます。現段階での市内申請者は約1万1000人で、当初の見込み(17万人口のうちの3割)を下回り、低調です。実際にマイナンバーカードを受け取った人は840人。この現状でコンビニ交付を始めるのは時期尚早です。

システム構築費として約1500万円に加え、市と地方公共団体情報システム機構(J-LIS)とコンビニ、3つのコンピューターをつなぐことになるため、それぞれに毎年システム利用料がかかります。J-LISに500万円、市が利用するクラウドシステムに780万円、管理のためにも250万円で、最低でも1500万円は発生します。ちなみに、全国47都道府県1718市町村がシステムを作るだけで260億円の公金が動きます。その他、コンビニのキヨスク端末利用には、書類1枚につき市が123円負担することになり、市は年間最大で7万7000件の利用を想定(妄想?)しているため、950万円の支出予想です。総計約2500万円。国は特別交付税で2分の一の補助をするとしていますが、2018年までの時限付きです。

この1月からカードの運用が開始されたばかりです。実際に個人番号カードで証明書の発行を利用する人数が見えてきた時点でコンビニ交付を検討しても遅くありません。財政の無駄を生じさせないためにも、システムの構築ありきの考え方は見直すべきです。